子宮頸がん細胞診検査の結果には、ベセスダシステムとクラス分類というものがあります。
簡単に言ってしまえば、ベセスダシステムは新しい診断分類でクラス分類は古いものです。
クラス分類は以下のようで、長年使われてきました。
クラス1 (陰性) 正常
クラス2 (陰性) 炎症はあるが正常細胞
クラス3a(偽陽性) 軽度~中度の異形細胞(異形成)がある
クラス3b(偽陽性) 高度の異形細胞(異形成)がある
クラス4 (陽性) 上皮内がんを疑う
クラス5 (陽性) 浸透がんを疑う
子宮頸がんとHPV感染の関連性が確実に高まるにつれ、クラス3をもっと細分化できるようになり、また細分化することが臨床医の治療方針の決定に重要な役割をもつようになり、ベセスダシステムが使われるようになってきました。
ベセスダシステムは以下のようです。
NILM(ニルム) 正常
ASC-US(アスカス、アスクユーエス) 異形成と言い切れないけれど細胞に異形がある可能性がある
LSIL(ローシル) HPV感染や軽度異形成がある
ASC-H(アスクエイチ) 高度な細胞異型の可能性がある可能性がある
HSIL(ハイシル) 中等度異形成・高度異形成・上皮内癌・微小浸潤がんがある
SCC(エスシーシー) 明らかな扁平上皮がんと考えられる。
これをクラス分類と比べてみると、いかにクラス3が大きな範囲の変化をカバーしてしまっていたこと、そしてそれにより臨床医の対応が難しくなっていたことがわかります。
ここで一つ、疑問に思われましたか?
なぜHSILはクラス分類ではこんなに違うのに、ベセスダでは同じ分類でいいの?
確かに!そうですよね。でもそれは、検査結果による治療方針が同じだからです。
中等度異形成でも、高度異形成でも、上皮内癌でも、治療方針はコルポ診と組織検査だからです。臨床医にとっては、次のステップは同じ。だから、HSILとまとめてしまっても臨床医を混乱させてしまうことはないのです。
難しい子宮頸がん細胞診の診断名、少し理解していただけたらいいな。
でも、もしわからないことがあったら、無料電話相談にご相談くださいね。